溶接技術辞典
抵抗溶接は、一般的に図に示すように電極で通電部分に圧力を加えながら、極短時間電流を流すことにより、通電経路の抵抗により発生する抵抗発熱(ジュール熱)と材料表面及び電極からの放熱を利用して材料間を溶接する方法です。
![]() このように、抵抗溶接は発熱と放熱を利用して、必要部分のみ溶融に必要な高温領域にすることにより良好な溶接が出来ます。 この発熱に対して材料表面及び電極からの放熱のバランスをヒートバランスと呼んでいます。 良好な溶接を行うためには、このヒートバランスが重要な役割を果たします。 高品質な訳(高品質の秘密、サプライズ溶接の秘密)
抵抗溶接の5大条件(電流・時間・加圧の溶接条件三大要素に電流密度・ヒートバランスをプラスした条件である)
通電回数
一定電流をただ1回だけ通電するシングル・インパルスだけでなく、何回か通電したり、電流の大きさを変化させたりすると、種々の効果を与える事が出来ます。
(1)シングル・インパルス :通常の通電形式 (2)ダブル・インパルス :主通電と補助通電を2段階に行う。 主に@ABの様な通電形式があります。 予熱通電は接触抵抗の斉一化や板のなじみを良くする効果があり、硬化性の材料に対しては割れ防止の効果もあります。 後熱通電は急冷による割れ発生や硬化帯の緩和を目的としたもので高力アルミ二ウム合金に使用されます。 テンパ制御はいったん休止時間を置いて再通電をする。空冷硬化鋼に対して、効果的で溶接部に焼き戻し効果を与え延性比(引張強さ / 引張せん断強さ)を向上することが出来ます。 (3)マルチ・インパルス :3段階以上の通電を行う。 主に同一電流の通電一休止を繰り返すパルセ−ション溶接に利用される。板圧が大きくてなじみの悪い場合や板厚さがはなはだしいもの、重ね合わせ枚数の多いものなど、特にナゲット径を要求されるものなど、シングル・インパルスでは大きな散りを生じたり、熱平衡が取り難い場合などに好適である。比較的短時間のon−offを繰り返す事によって、加熱−冷却の熱時間定数の差のあるものを過熱する事なく、溶融点まで引き上げる事が出来ます。 電極の選び方
スポット溶接の電極チップの先端形状
※使用電極には大きく分けて一体型とキャップ型があります。
電極の寸法は目的に応じて変更する場合もありますが、標準的な寸法はJIS C 9304 電極に外径(呼び径)は作業に差しつかえのない範囲で太めのものを選ぶ方が得策である。 de=5√T(板厚)
インバータ式の優れたところ
インバータ式電源には、その他の方式の電源に比べいくつものメリットがあります。
そのうちのいくつかを紹介します。
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